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2005年9月

2005年9月27日 (火)

拡がったら出て行かない

3回の連載になってしまいましたね。「さあ大変」のところからの続きです。

 家の内部の気圧が下がりますと、当然外部から空気が入ってこようとします。『入れないと入ってきちゃう』んですね。24時間換気システムってのは機械的なプログラムなものですから、余分な空気を入れて室内の温度を変化させないようになってるようで、「気圧が下がってるからもっと入れよう」なんて気が利いたことをやってくれないようです。
 排気だけ機械で行って、給気は壁につけられたダンパーから行う方式の家もありますが、これだって「風が入ってきて嫌だから」と言ってダンパーを閉めてしまう方が結構いらっしゃいます。それで夕方にお子さんが帰ってきてトイレ使ってお風呂使って、お母さんは夕食の支度を始めますと。
『計画排気+トイレ排気+浴室排気+キッチン換気扇』となりまして、家の中の気圧は一気に下がってしまいます。
 家の中の気圧が下がりますと、『ドアの隙間から風の音が聞こえる』『玄関のドアが開けにくく(閉めにくく)なる』なんて現象から始まって、『排水管から下水のニオイが逆流する』『原因不明のニオイがたちこめる』という、とってもイヤ〜なことになります。さあ、ようやっとニオイにたどりついたぞ。
 台所の流し、洗面所、トイレなどは、下水管からの空気が逆流しない構造(トラップ)になっていますが、最近の一戸建て住宅は2階に洗面所やトイレが付いていることが多くなったようです。そうすると、2階から流れる水が水流ポンプ現象を起こして1階のトラップの水を引っ張ってしまう現象が起こることがありまして、そうするとトラップの中に入っている水が流れ出して、水封効果が下がってしまいます。
 そうすると、家の中の低い気圧に負けてトラップからボコボコと下水管の空気が逆流してくるわけです。トイレの中にある小さな手洗い台がそうなってしまった現場を2つ経験しましたが、トイレの換気扇は回っていても、もっと強い換気扇が他で動いているからニオイはそっちに引っ張られてトイレから出て行ってしまいます。さあ大変。

 もうひとつ。気圧の低下が家全体に拡がらないでキッチンとその近くの部屋だけに起こっていた場合。この方が狭い分だけ気圧低下は激しい。
 キッチンの排水口は大きいので、その分トラップも強力です。なかなか逆流は起こりません。ですから換気扇を動かしている限り、気圧は下がりっぱなしです。そうすると何が起こるかと言いますと。
『床下収納庫回りから床下の空気が入ってくる』『壁のコンセントやスイッチから壁の中の空気が入ってくる』なんてことが始まってしまいます。どちらも下水とかじゃなくて建材のにおいなのですが、床下のコンクリートや壁内の断熱材のニオイは結構不快な場合もあります。
 しかもキッチンのコンセントは、炊飯器やポットで使うために床から1mくらいの場所に付けられているんですね。つまり、顔=鼻に近い。そのために、あまり拡散していないニオイの固まりにぶつかってしまうことも起こります。しかもしかも、コンセントは『隙間』と認識されませんから、ニオイの発生源が不明になってしまうのです。これがキッチンにいる奥さんには、結構なストレスになってしまいます。
 隙間になっている場所をどんどん塞げば良いじゃないかと思うでしょうけど、1箇所塞ぐと別の場所から入ってきます。モグラ叩き状態。根本から改善しないことには難しいでしょうね。

 とりあえず、キッチンの気圧低下を少しでも解消するためには『同時給排気型換気扇』。これは排気と同時に外の空気を取り入れてくれます。100%ではないので完全解消にはなりませんが、ただの強力な換気扇よりよほどまし。
 それと、どう考えても換気扇で吸い出された分の空気はどこかから入れないコトには解決つきません。新築でしたらメーカーに、リフォーム後に発生したならリフォーム業者に相談しましょう。
 そのどちらでもなければ、窓を細く開けて空気の入り口を作りましょう。キッチンの冷暖房が台無しになってしまいますが、ホットカーペットや扇風機で何とかしましょう。ニオイを家中に拡げてしまうよりはまだ良いでしょう?良いと思うけど……。家じゃ私も料理してるし……。

2005年9月26日 (月)

え〜お待たせしました。先日の続きです。

 え〜と。その前に、従来の住宅およびキッチンと、最新のそれとの違いを説明する必用があります。
 都市ガスやプロパンを使っていて、高気密でも24時間換気でもない住宅が『従来型』。高気密24時間換気でIHクッキングヒーターを使っているのを『最新型』と区別しておきましょうか。

『従来型』:解放キッチン、またはセミクローズド。換気扇を回すと家全体の空気が排出される。新鮮空気の補給はさまざまな場所(隙間)から行われる。

『最新型』:密閉されてしまうキッチンもある。密閉型の場合換気扇を回すと主にキッチンの空気が排出される。新鮮空気の補給は家全体の気密構造もあるため非常に少ない。


 このことを覚えておいてくださいね。

 さて。『従来型』の場合、居間や食事スペースにまでサンマの煙が流れてしまうなんて不都合はありますが、それで住宅メーカーにクレームつける人は滅多にいません。
 ところが『最新型』では無視できない事態が起こることもあります。それが上で触れた気密性、IHクッキングヒーターが原因なんです。
 念のために言っておきますけど、高気密やIHが悪いって言ってるんじゃありませんからね。要は使い方だってことなんです。
5tesutss この←写真は『最新型』モデルハウスでの実験風景。
 24時間換気オープンキッチンで、調理臭がどのように拡散して消えていくかを調べたんです。『良いマンションに住みたい』の中で、住宅コメンテーターの坂根氏も「リビングキッチンはこれからの主流」とおっしゃってます。
実験では、まさかモデルハウスの中でサンマ焼くわけにも行きませんので、ここでは「酢酸エチル」という溶剤をニオイの代わりに発散させています。
 24時間換気システムですと広まるのもあっという間なのですが、消えていくのも早い。
 試しにわざとシステムを止めて同じ実験をしてみましたが、今度はなかなか消えませんでした。やはり換気システムは優れモノでしたね。
 さてそんな優れた住宅がトラブルを起こす図式を示しますと。

IHクッキングヒーター
(ガスの炎がないので、上昇気流が発生しない。従来の換気扇では湯気や調理臭を吸い出せない)

『能力の高い換気扇』
(従来の換気扇に比べると吸い出す空気の量が多いので、家の中の気圧低下も激しい)

『キッチン・キッチンにつながっている部屋の激しい気圧低下』

『高気密なので新鮮空気が入ってこない』

『予想もしない場所から、予想もしない空気が入ってくる』

『さあ大変』

となるわけです。
え〜。長くなっちゃったので、続きはまた明日に書きますね。

2005年9月21日 (水)

入れないと入ってきちゃう?

え〜。皆様こんにちは。師匠でございます。
 朝夕涼しくなってきまして、ようやく汗を気にすることなく動けるようになってきました。私は北海道の生まれなので、25℃越すともうダメでございます。ちょっと動くと汗だらだら。夏の間は制汗スプレーとボディーペーパーは欠かせません。銀が入った制菌効果スプレーがとても良いのですが、あれは下着が変色するのが困りものです。

 さてさて。そろそろ住宅=ご家庭での「ニオイ」のお話しをしなければなりませんね。今回のタイトルは『入れないと入ってきちゃう』何でしょ。このナゾナゾみたいなのは?
 ナゾは読んで頂ければ判りますので、先に進みますね。
 最近の住宅は、冷暖房効果優先ですね。省エネの声が大きくなって久しいので、もはや当たり前のように冷気や暖気を逃がさない密閉構造。昔はただの穴だった空気の取り入れ口まで『ロスナイ』という熱を逃がさず換気を行う装置が取り付けられています。
 それはそれでとても良いことなんですけど…。皆さん何か変だと言うことにお気づきにならないんですね…。私はず〜っと『何でこんなこと気が付かないんだろ?』と不思議に思っていた、と言いますか…。今でも後を絶たないのが本当〜に、不思議でたまらないんです。
4y2xpcf9pbwfnztawmqc2  はい。これがナゾナゾタイトルのヒント。お台所の換気扇ですね。最近どんどん性能が上がって、いろいろ機能も追加されてるようですが、レンジ周りの煙や熱気を外に出すって基本的な機能は変わりません。
 ってコトは…。お部屋の中の空気をどんどん外に出しているワケですが…。先にも言いましたように、最近の家は空気の出入りをさせないような構造なんですね。
 ってコトは…。ず〜っと換気扇を使っていると。そのうち家の中は真空に…。なるはずはありませんけど。
 ニオイを家の外に出そうとしてるのに、何故かニオイがなくならない…。てな事態がけっこ〜、よく起こるのですな…(言葉の重複)。タイトルのナゾは、次回明らかになります…。

2005年9月15日 (木)

鋭敏な嗅覚?

臭気判定士(師匠)でございます。
実は弟子の方はこれから国家資格を受験するので、『判定士見習い』なんです。
まあ。臭気判定士ってモノも、まだまだ認識されていない職種ですから、本題の住宅のニオイに入る前にちょこちょこっと説明しておいた方がいいでしょうね。
え〜。受験資格は18歳以上です。それから、『正常な嗅覚であること』が求められます。
よく、「すごく鼻が鋭いんですね〜」などと言われますが。
そんなコトはありません。
調香士さんやテイスターさんは、香りの再現や未知の調合を行うので鋭敏な嗅覚が必要なのでしょうが、臭気判定士は『悪臭に悩まされている人の被害感を理解できる』ことが重要なんです。
だから、やたらに鋭い嗅覚では都合が悪いですし、鈍い鼻では役に立ちません。普通の鼻であることが重要なんですね。
では、どうやってその人の鼻が正常であるかどうか確かめるのかと言いますと、こんな薬を使うのです。
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『5基準臭』と言いまして、この薄〜く調合された5種類の香料を感じることができるなら、その人の鼻(嗅覚)は正常と判断できるワケです。
写真右に見える細い紙(におい紙)にちょっとだけ付けて嗅いでもらうのですが、判らないのに「あ、においま〜す」とウソつかれては困るので、全然ニオイのない液体をつけた紙と一緒に渡して、どれに付いているのか探してもらいます。
まあ、運転免許の適性試験みたいなもので、合格率は95%以上。それに、万一合格しなくても日常生活には何ら差し支えありません。
興味がある方は、右のリンクにある「臭気判定士について」のところから『(財)におい・かおり環境協会』に跳んで「嗅覚検査」のところを見てください。もちろん私の会社でも検査してさしあげますけど……。
写真の真ん中に書いてある注意書き、私が勝手に書いて、被験者さんがイヤでも見える位置に貼ってあるんですが。やたらに緊張すると、判るモノもわからなくなるんです……。この仕事に限ったことではないですけど、メンタルな要素が大きいほど、これは響いてきます……。

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