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2006年1月 6日 (金)

家だっていつかは廃棄物

 『姉歯物件』の強度不足マンションがほぼ完成を迎えながら解体されますね。せっかく購入しながら、途中でキャンセルされてしまう契約者も残念でしょうけど、現場でここまで建物を作ってきた作業員の人たちもさぞかし無念でしょう。
 普通ですと圧砕バサミをつけたパワーショベルをクレーンで屋上に上げて、ちまちま壊していくのですが、強度が不安なものだから重機が乗せられないようです。もし乗せた途端に潰れたら脱力笑いした後に激怒ですな。地上に重機置いて作業するって書いてますから、多分こんなの使うのでしょうね。

 しかし……。住宅購入のブログだってのに壊す話しするかな? 私だけ他のブロガーさんとは逆のエンドから住宅を見ていますね。
 さて、一戸建て住宅でもマンションでも、壊した瞬間に『廃棄物』になってしまいます。2×4の木材なら丁寧に分解してまた使うことも不可能ではないでしょうけど、ほとんどの木質廃棄物は加工して資源利用、金属は溶かしてまた建築用鋼材としてまた社会に戻っていきます。どうにもならないモノが破砕されたコンクリート。粉にして溶かしてまたコンクリートにでもなれば便利なのですが、それじゃまるで日干し煉瓦だ。たぶん雨降ったら溶けるな。破砕して道路の基盤ぐらいにしかできません。いずれにしろ土の中にしか持っていきどころがありません。
 で、もっとどうにもならないモノが『石膏ボード』、壁材です。これ、去年は約140万トンが廃棄されています。
 リサイクルの方法は、表面に貼られている紙を剥がして中の石膏を粉にして焼けばまた石膏として使えます。良?く焼いたらチョークになります。あくまでも理論上ですけどね。
 実際にはボードのメーカーでもそんなリサイクルはやっていないそうです。石膏の回収率が5%にも満たないので全然採算が合わないのと、最終的に廃棄しなくてはならないモノの量があまり変わらないから。結局全体の95%は捨てるしかないんだから、手間と費用かけないで全部捨てちゃった方がマシです。
 で……。そうやって廃棄されたボードはやはり処分場に埋められて、長い年月をかけておとなしく土に還元されるかと言うと、そんなコトはありません。だったらここで話題になんかしないし……。
 全部の製品と言うわけではないのですが、石膏ボードの中に入っている白いモノは100%の硫酸カルシウムではなくて、ほぼ半分『三酸化イオウ』っていうやっかいな成分なんです。これが石膏と混ざった製品である間は別にどうと言うことはないのですが、土に埋まって水に溶けて、カルシウムが微生物に消費されるといきなり硫酸が出てくるんです。理論上ですけどね。
 それで何が起こるかと言えば、硫酸がそこらに一緒に埋まっている物質を腐食させて有毒ガス、特に硫化水素を発生させるんです。この間秋田の泥湯温線で一家四人が亡くなる事故がありましたが、それぐらいの高濃度硫化水素ガスが出たこともあったそうです。それが原因で98年から厳しい管理の処分場じゃないと埋められなくなってしまいました。
 石膏だけ取り出して地盤改良材や肥料にする研究も行われていますが、それにしたって表面に貼ってある石膏がしみこんだ紙をどうしたら良いのか判りません。紙じゃなくて塩ビの製品も混ざっているし、紙だって半端じゃないイオウ成分が入っているので焼却するとやっぱり硫酸が出てくるし、埋めるにしてもやたらにかさばる。
 誰か上手い資源化方法を考えてくれないと、本当に困ったことにもなりかねません。

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