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2006年2月 2日 (木)

木の香嬉しや山の宿

 終戦後の“進駐軍”時代の話ですが、有名な温泉旅館にやってきた米軍の将官が、「これは不潔であるからペンキを塗っておくように」と旅館の経営者に命じたそうです。階段の白木の手すりを……。
 もの凄い感覚の断絶です。じゃ何ですか? 鮨屋で白木の上に置かれた寿司は不潔で食えないとでも?(それともよほど汚い状態だったとか? 誰でもそれと知っている老舗旅館なのでそんなことはないと思いますが)
 さすがに現在ではそんなことなどない……、と思いますが。でもたった60年前のこと、アメリカじゃはるか昔か? こっちは1000年以上も前から“白木”は清浄なものと決まっているんだぞ。認めないって言うなら日本に来たって樽酒飲ませないぞ。

 で、またまた木のにおいのお話し。

 昨日のコメント欄に“がら”さんからのメッセージがありまして……。今週はこれでネタ保っちゃうぞ。

木が沢山ある部屋(必ず床が無垢材貼り)で、窓を締め切っている。そして暖房中である。
 こんな条件の場合に『木のにおい』を強く感じるそうです。先日リンクを貼った『ムクの床材から発生する(以下略)』の実験“そのもの”な状態ですから、アセトアルデヒドもフィトンチッドもお部屋に充満するでしょうね。売る側としては“木の香漂うオーガニックがロハスでなんたらかんたら……”と自慢したいがための処置かも知れません。
 ですから「暖房などの加熱乾燥によって木材から湿気が放散され、一緒にいろいろな成分が出てきてしまうのでは?」は正解です。はいスーパーヒトシ君。

 しかし乾燥しないようにすればにおいが軽減されるかといいますと、何とも言えません。何しろ人間の鼻ってのは、前にも書きましたがものすごく敏感なんです。しかも神経保護機能が付いているために、感覚リミット(ぶっ倒れる臭さ)上限に近づくほど鈍感になるという特性があります。
 これらの機能によって、『ppmの濃度で99%においを取り除いても、人の鼻ではやっと半分程度に減ったとしか感じられない』というやっかいな現象があるんです。ですから、発散を幾分減らした程度ではほとんど変わらないと思います。

 それから、「木の種類によってにおいが違うのでは?」も正解です。「木質が柔らかい木は虫害から自分を護るためにフィトンチッドを沢山出し、反対に木質が固い木は虫害に遭う恐れが低いので苦労してフィトンチッドを生成する必用がない」というのもその通りでしょう。
 フィトンチッドをたくさん持った木は「ヒノキ・マツ・クスノキ・ヒバ・サワラ・スギ」ですが、においが強い順に並べると「ヒバ・クスノキ・ヒノキ・マツ…(好みとかは無視)」となるでしょうか。何しろヒバが持っているフィトンチッド成分の半分は抗菌殺虫成分ヒノキチオールです。クスノキと言えば正成…、じゃなくて樟脳です。たしかにどれも、そう固い木ではありません。
 固い木と言えば、カシ・ナラ・クヌギ。もっと固いのは紫檀黒檀、“鉄の木”なんて呼ばれた時代もあるマングローブ。これらは確かに木の香り云々を聞きません。そのへんを考えると、住宅を注文するにあたって木の材質指定というのもアリかも知れませんね。

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