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2006年11月19日 (日)

消防擲弾兵

 先週の金曜日ですが、ビックサイトの展示会をバタバタ走り回りました。何せ時間がない。



 『ホスペックス』って、これは医療関係の展示会なのですが。臭気対策やら消毒殺菌の展示があるもので、対策屋としてはざっとでも見ておきたい。
 事務機メーカーのイトーキが、除菌漂白の液剤をデモってました。資料が事務所なので商品名が不明、明日書き足そ。『ままぶり』さんが使っていたのこのタイプか? 抗菌・消臭も謳ってるから、似たような成分使っていそうだな。ちなみに塩素が入ってますので、『混ぜるな危険』アイテムです。換気しながら使いましょう。
 併設展示会で学校関係のも開催しておりまして、ホスペックス見てると知らないうちにジャンル違いの場所に入ってしまいます。
 そこで見つけたのがこれ。

 消火投擲弾『SAT199』です。缶ビールの長缶くらいの樹脂容器で、中にリン酸アンモニウムと重炭酸アンモニウムからなる青い液体が入っています。こいつを火の中に放り込みますってぇと……。
 あ、容器が割れるようにそれなりの勢いで投げてくださいね。時限ヒューズは付いていませんから6秒以内って制限はありませんが、躊躇している余裕はありません。投擲?sign01

 腕力でもって爆発物を放り投げるって戦法は古くからありまして、日本ではフビライ軍が博多に上陸した時に使いました“てつはう”とか呼びましたか。
 いちばん凄かったのがナポレオン卿が活躍なさっていた時代でして、危険きわまりない黒色火薬しかない時代なんで、当然時限ヒューズも着発信管もないから導火線に火を点けて密集した敵陣のど真ん中に放り投げるって、勇敢なんだか野蛮なんだかとにかくムチャクチャ勇気のある兵隊さんの集団があったそうです。投げる時の衝撃で爆発したなんて事故も珍しくなかっただろうな……。
 何しろ。敵も密集して鉄砲パンパン撃ちかけてくる真っ正面に出て、爆弾が届く距離まで突進して行かなくちゃなりません。狂気の沙汰に近い勇敢さと、かつ豪腕が求められますので、当時としてはエリートでした。頭の中はどうあれ。

 そんなコトを知ってシューマンの『二人の擲弾兵』を聞きますと、剛健実直な兵士が祖国フランスの敗戦と皇帝の捕縛を聞いて涙しつつ、「皇帝がお還りになれば、俺たちは墓の中からでも立ち上がって戦うぞ!」と心の中で誓う汗と硝煙と土にまみれた逞しい兵士の姿が思い浮かびます。

 『牢獄(ひとや)い出て国へ還る兵士二人 家路近づきし頃傷たみし心の 国の便りと聞きしは「フランス遂に敗れ大軍崩れ 今ははた皇帝捕らわれぬ」と』……。良い訳だなぁ……。

 え?と……、盛大に関係なかったぞ。
 容器が割れて青い液が炎と熱に接触しますと、熱反応で炭酸ガスとアンモニアガスが大量に発生して酸素を遮断、火が消えます。加えて、ここが優れた点ですが、アンモニアが気化発散しますと熱を奪うんですな。アンモニア冷媒使った冷凍庫があるくらいですから。
 火が消えて温度が下がるので、退路を確保できます。煙はどうしょもないけど。アンモニアの臭いがさぞかし凄いでしょうけど、文句言っていられる状況じゃありません。どうせ煙まみれになっているでしょうし。
 展示では水で15倍に薄めた青い液の柄杓1杯で、1m角の箱の中で起こした石油火災を消火していました。
 用法から考えてオープンの火災じゃ効果は低そうですが、避難路切り開く際には心強いアイテムです。

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