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2006年12月 9日 (土)

燐気応変

 え?と。危険ですからオナラを燃やすのはやめましょう(田舎での暮らし)。慣れないヒトが実行しますと、着衣の隙間に溜まったオナラに着火してヤケドすることがあるそうです。
 いかに良好な圧力を持ったオナラを撃つことができるかと、あと発射する際の姿勢が重要だそうです。『へもす会』ぐぐっても出てこないな?。ネットなんて影も形もなかった時代の話だからな……。そう言えば『オナラ名人』なんて方もいらして、“音程”のあるオナラをを出すことができたとか。
 食べものを咀嚼する際に空気を一緒に飲み込んでしまう、まあ機能不全の一種なのですが、そう云うヒトが希にいらっしゃるそうで、胃や腸が常に膨ってしまうのでひどく苦しいそうですが……。こんな方は上手いコトお腹の空気を操れば、超人級のオナラ名人になれるそうです。
 江戸の昔にそんな超人がいらっしゃいまして。どこだかの神社の長い階段を上りつつ、1発づつ発射を行い。さらに段を上るに従ってボリュームを上げていき、見事頂上まで連発発射を成し遂げて大評判を得たそうな。まさか金比羅宮じゃないだろうな……。
 それが、時代がいっこ変わると、汽車の中で出したら罰金喰らってしまったそうだ(笑育のすすめ)。

 え?と……。これではオナラの話で終わってしまうぞ。
 マッチの軸木って、他には薪にするしか使いようのないクズ材を使用するそうで。当然くすんでたり茶色かったりの材木がほとんどなのですが、昔懐かしパイプ印徳用マッチなんか開けてみますと、見事に白木の軸が揃っています。何でかって云うとやっぱ漂白しているのですな。それに使われているのが『過酸化水素』。
 おお。過酸化水素で木部の漂白ってのは、私が発明したと思ってたら、はるか昔から実用されていたんだ。
 で、そんな傲慢は放っといてマッチを1本取り出します。漢字で書くと『燐寸』。『点け木』とか呼ばれていたこともありますが、『火寸』と書いて『まっち』と呼び始めたのは江戸時代からだそうです。詳しくは『マッチの歴史(日本燐寸工業会)』を読んでください。
 それで……。マッチを、箱の横にある赤黒いトコに擦り……。あ、折れちゃった。擦りつけますと、発火します。不思議でも何でもありません。でも、今のところを“時間の目”で見てみましょう(by『四つの目』)。不思議なことが判りますよ?。

 あ?。折れちゃったところは飛ばして……。はいここからです!
 マッチの頭のところが……、いま箱について……、動き始めましたよ?。よく見てください。
 ほら。火が出ました! でも?。拡大してみましょう。ほら。火が出ているのはマッチの頭じゃないですね。箱の方から火が出ているように見えます。
 これはですね。箱の赤い部分には『赤燐』という物質が使われているのです。ここに、マッチの頭に使われている『塩素酸カリ』という物質が強く押しつけられると、『酸化還元反応』という現象が起こって、先に箱の『赤燐』が発火します。
 もしマッチの棒の方だけで発火させようとしますと、摂氏160℃という高い温度にしないと火が点きません。ところが、『赤燐』と強く接触することで非常に低い温度でも火が点くのですね。
 面白いことに、この『塩素酸カリ』という物質は、それ自体は萌えないんですね。ですからメイドさんやメガネっ娘に接触しても火は付きません。
 先に箱の『赤燐』が燃えて、マッチの頭に使われている『イオウ』や固めるための『にかわ』や『松ヤニ』に引火して、そこで初めてマッチの頭に火が点くんですね。では……。マッチを消して、次はその萌えカスを『拡大の目』で見てみましょう。あ、秋葉原撮しちゃだめ。燃えカス燃えカス。
 はい。まるで月の表面みたいですね……。これは、もう一種類の物質が働いているために起こる現象です。その物質がないと、マッチは燃えると同時に灰やカスがどんどん飛び散ってしまうんです。
 それを固めているのは、実は『ガラス』なんです。細か?いガラスの粉が、燃焼するときに溶けて灰を固めてしまうのです。こんな小さなマッチの頭にも、たくさんの『科学』がありましたね。

 という、ずいぶんと長ったらしい行程を経まして、よーやっとマッチに火が点きます。これなら棒きれ擦り合わせた方が早いような気がするな……。
 で、それらが燃え上がりますってぇと。三酸化燐かな?マッチ擦ったところが白くなりますでしょ? あれがまず発生します。ほとんどロウ状になってそこらにへばり付いちゃうけど、一部はガスやヒュームになって飛散。結構活性高い物質だから、吸いこんだらたぶんムセます。
 それで、イオウやニカワなんかが燃えはじめると、これはもうNOx(窒素酸化物)やらSOx(イオウ酸化物)やら大気汚染物質出まくりますので、もう大変な臭気濃度のガスが勢いよく発散します。
 別にオナラの臭いがマッチの火で燃えて消臭されるワケではありませんで、単にマッチが燃えたときに出るガスの方がもの凄い臭いだってコトなんですね。考えてみると恐ろしい工業製品ではあります。
 タバコとマッチの煙の複合攻撃じゃ、バトラー先生も音を上げるのは無理もない。オナラが心配なヒトは、このようなエアーフレッシュを自作して持参すると良いでしょう(薫る香りのブログ)。
 子供の頃、花火で遊んで。花火が尽きると徳用マッチを擦ると同時に飛ばして遊びました。結構派手に燃えながら飛ぶので面白かったのですが。何かのはずみで手の中の徳用マッチが一斉に燃え上がってしまったことがありました。あれは怖かった。
 放り出して逃げれば良いものを。あまりの恐怖に体がすくんで、一生懸命口で吹いて消そうとしました。もちろん消えるはずがない。当然、そんな遊びは二度とやらなくなりました……。

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空港のセキュリティ関係者もこの事態は想定外だったろう。女性乗客が、オナラの臭いをごかますためにマッチを擦ったのだ。
この女性の行動で、米ワシントン発ダラス行きのアメリカン航空便が4日、ナッシュビル空港に緊急着陸し [続きを読む]

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