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2008年11月23日 (日)

臭気判定士になってみた

 え〜。ニオイのことじゃなくて臭気判定士のことで質問が来ています。
『庭』さんから。

はじめまして、こんばんは。
突然の質問で失礼致します。
臭気判定士の資格取得に興味を持っている者です。
理系出身ではなく、現在は主婦で、環境関連の会社
での実務経験もありません。
臭気判定士の資格に合格した場合の、臭気判定士と
して再就職できる可能性の高低を、個人的見解で良
いので教えてくださいませんか?
宜しくお願い申し上げます。


『臭気判定士の資格に合格した場合の、臭気判定士として再就職できる可能性の高低』ってことですが。
『あまり望めない』とお答えするしかありません。

と言いますのは。

 会計士や司法書士は法律的なことに精通していれば、普通に仕事をこなせます。自分で事務所を開かずに『○○会計士事務所』とかに所属するって仕事の仕方もありますし。
 でも臭気判定士の場合。実験の手順を知識として持っているだけではダメでして、実験室や現場での経験の積み重ねが何よりも重要なんですね。

 『臭気判定士の仕事』ってのは、まあ大雑把に3つに区別することができます。たぶん実際はこんな感じ。

�@分析会社の実験室にいて、来る日も来る日も持ち込まれる検体(ニオイが入ったバッグ)の臭気指数を測り続ける。単調だけど神経を使う仕事。

�A分析会社や企業の環境保全の部署に所属して。現場に行って自分でニオイ検体を取ってきて、実験室で測定作業もやる。危険も伴う仕事。

�B消臭にかかわる会社に所属して。�Aと同じ作業をやり、なおかつニオイ対策なども考えて実施する。徹底的な汚れ仕事。

 さらに。『上のを全部やって学会の委員をやって毎日ブログ書いてテレビなんかも出て日本中からニオイの相談受けてワケわかんなくなってる』って臭気判定士もいるらしいです。

 こーゆーヒトたちは、だいたいその手の会社に入ってから、必要に迫られて会社に取らされることが多い。
 そーすると。周囲には先輩の臭気判定士もいるし、仕事もそれなりに手伝うことになりますので。免許を取ればすぐ専門の仕事に取りかかれます。
 ところが、自分で勉強して免許だけ取ったとしても。決定的に足りない上に、どーやっても手に入れることが困難なモノがありまして。『経験』ですな。
 免許取っただけでは、臭気判定士の仕事はできません。免許(と正常な嗅覚)の次に必要なのは。『どれだけの現場を経験したか』ってことが非常〜に重要になるのです。

 ワインのソムリエだって、最初から『○○の何年のワイン』の味を知ってる訳じゃありませんからね。飲んで嗅いで味わって、それを記憶に刻み込まなくちゃいけません。
 昔はフランスの名のあるレストランなんかでは、ベテランの老ソムリエの横には必ず若いソムリエ見習いが付いていたそうです。ソムリエとしての立ち振る舞いを全て見て覚えなくちゃいけない。

 それでも。ワインの味と香りに関することは見たって経験できませんから、お客は必ず良いワインを取った時には見習いソムリエのためにひと口残しておくことが礼儀だったそうです。現在ではどうだか知らん。

 え〜。また脱線した。

 つまりですね。専業主婦が免許を取って、履歴書出して環境関連の会社に職を求めても。採用されることはかなり難しいと思います。
 工場などで経験のある実務者はいるのだけど、どうしても免許をとることができないって状態なら、あるいは「とにかく資格者がいれば良い」ってんで採るかも知れませんが、そんなところを探すほうが難しい。

 可能性が高い方法としては。免許を取ったら、大きな分析会社の嗅覚パネルに「臭気判定士免許持っています」ってことでパートかアルバイトで応募することですね。
 そうすれば嗅覚パネルだけでなく、見習い技士として使ってくれる可能性があります。あとは努力しだいで正社員になれるかも知れません。

 ただしですね。臭気判定士になるってコトは、ほとんど悪臭を相手にする仕事だってこと、覚悟してくださいね。

 清掃工場に入ったり

 数百トンの堆肥の山に登ったり。

 20年前に埋めた生ごみに対面したり

 ほとんど『毒ガス』に近いニオイを調べたり

 『私がやらなきゃ誰がやる!?』ってヤケクソ気味の覚悟が必要な場合もあります。

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コメント

大変分かりやすく、かつ厳しいご意見・ご説明をありがとうございました。

庭さん夢を打ち砕いてしまったみたいですみません。でも『ニオイで困っている人たちの助けになる』ってのは、こーゆー仕事なのです。決して誇張でも何でもありません。『ほかにできる人間がいないから頑張ってやる』それが臭気判定士の誇りであり励みでもあります。

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