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2009年9月 8日 (火)

珈琲殺人事件

 午後の5時6時代は忙しさのピークタイムなもので、スーパーニュースの電話インタビューを見ることはできませんでした。以前の『とくダネ!』か何かの映像を使ったのではないかと思いますが。

 『司法解剖の結果、遺体は背中のほか、腹や首も刺され、カミソリで切ったような跡があることも分かった。腹部の傷には多量のコーヒーの粉がまかれていたといい、遺体の消臭作用をねらったとみられる。』(iza)だそうですが、時事通信の5日午前1時報では『死後数日経過しているとみられ、ミイラ化していた』とあります。

 カラカラの季節でも数日でミイラ化ってのは異常です。同日午後の共同通信報では『傷口周辺にコーヒーの粉がまかれていたことが5日、捜査関係者への取材で分かった。遺体は死後数週間経過しているとみられ(抜粋)』と、ここで初めてコーヒーの粉が登場します。

 『発見を遅らせるためコーヒーで腐敗臭をごまかそうとした可能性が高いとみて捜査』と書かれておりまして、この辺にスーパーニュースが食い付いたんだな。

 実際。死体が腐った時の臭いってのはもの凄いもので、それをごまかすなんてのはウチらが使っているような業務用消臭剤じゃないとムリです。中でも一番やっかいなのが血液でして、これはS(イオウ)系化合物をいっぱい持っていますので、これが最悪のニオイを放出します。

 どれくらい凄いかって言うと。ナマ豚をお肉にしている工場の廃血液の処理装置の中なんて黄色いイオウの塊ができちゃうこともあったくらい。それほど大量のガスが発生します。

 体重60kgの人間ですと、体の中にだいたい5リットルくらいの血液が入っています。で、1.8リットルくらい出ちゃうと失血死するそうです。それでもまだ3リットルの血液が体内に残っておりますので、完全に血抜きしないことにはやっぱり最悪のニオイが発生してしまいます。もしかして『下半身は裸で、あぐらをかいたような姿勢で浴室の洗い場にあおむけに倒れていた』ってのはその血抜きをやったのか?

 しかしそれだけの作業をやりましても、やっぱ腐り始めたらニオイは出ます。腐敗はまず胃から始まります。死ぬと胃の粘膜が再生されなくなっちゃうから、残ってた胃液でもって胃が自分を分解し始めてしまいます。

 たぶんこの辺でちょっと酸っぱいニオイが出始めるんだろな。で、腐敗分解は内臓全体に拡がって行きましてお腹が膨れ出す。この事件の場合腹も刺されていたって言うから、体液は排水口から下水に流れ出て腐敗でお腹が弾けて爆発的にニオイが出ることはなかったのかも知れない。

 おぞましくなってきたのでコーヒーに戻って。

 死体の腐敗臭をコーヒーで隠そうとするなら、抽出前でも乾燥カスでも数百キロの粉が必要でしょうねぇ。死体を完全に埋める必要がある。しかし抽出前のコーヒーだと時間がたつと酸化して、時間が経つとかえってひどいニオイになるかも知れない。やっぱ出がらし乾燥粉だが、そんなモノを大量に用意するとしたら缶コーヒーの製造工場に行かなくちゃならないな。

 完全に埋まった状体であれば、粉にじわじわ水分を奪われて、季節によっては腐敗しないで干物になるかも知れません。

 しかし倉庫でもないのに数百キロのコーヒーを運び入れたら目立つわな。そんな手間かけるくらいなら死体を運び出す方がまだ楽なような気がする。あ、でも変な格好で硬直してたら結構面倒か。

 いぞれにせよ。家にあるような数百グラムのコーヒー粉では気休めにもなりませんので、絶対に真似しないようにしてください。

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