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2010年10月14日 (木)

ほのかに香るは

 朝の7時半にすでに忙しいもので、パソコンの前で仕事しながら朝飯食っております。これでは勤めていた頃と何ら変わりがありません。

 いかん。臭気判定士試験の直前講習会も今月末だった、講義の原稿をもう一度読み直しておかないと……。まだ会場に空きがあれば受付はしてもらえると思いますので、お問い合わせは臭気判定士会までどうぞ。

 

 で。コメント欄に質問が来ております。マコさんから。

 この「喉がピリピリと痛む化学的な異臭」というものには、薬品?物質?としてどういうものである可能性があるのでしょう。

 我が家(マンション/神奈川県)も同様の化学的な異臭がして家人ともども困っています。家人は消臭剤?か何かではないかと言っているのですが。。。

 質問コメントは『両隣の飲食店から出される調理排気が家の中に入ってきてアレルギー症状まで出てきてしまった』との相談の記事でして、「喉に炎症が出て咳が止まらない」などのことからの質問ですね。

 さて。ちょうど講義の中でもこんなことに触れているので、原稿を見直しながらお答えしましょう。

 え〜。ニオイの物質には、ある濃度に達すると「ん?何かニオイしてる?」と感じはじめる一線があります。専門用語で『検地閾値(けんちいきち)』と呼びます。ここだとまだ、何のニオイか判りません。

 もうちょっと濃度が上がりますと「あ、硫化水素だ」とか「あ。これは牛丼、しかも松屋だ」とか。ニオイの正体が何となく判るレベルがあります。これは『認知閾値(にんちいきち)』と呼びます。

 ここまでは化学のお話。

 「ニオイを感じたよ」って信号は、嗅細胞から嗅球やらを通って最短距離で脳に到達します。脳では何箇所かを使ってその信号を処理しますが、その一部『海馬』って部分は記憶を司る部分でもあるので、『ニオイ=記憶』ってのが非常に連動しやすいんだな。視覚と嗅覚は危険の回避に欠かせないものだから、そうでないと困ります。

 ここで問題になるのが『記憶』です。

 会話もできなくなった認知症の老人に「ぬか味噌」のニオイを嗅がせたら。遠い昔の田舎のことを思い出して、話をするようになったような成果もあるそうです。これは『ぬか味噌』のニオイを知っていて、さらにそのニオイに直結する出来事が記憶に刻み込まれていたから。ニオイでもって眠っていた海馬が活性化してアーカイブが開いたんだな。

 これで『ぬか味噌』を見たことも嗅いだことも、ぬか漬けのナスやダイコンも食べた事がなかったら。「何か酸っぱいような発酵したような嫌なニオイ」になってしまいます。プロピオン酸。

 まず、同じニオイでもっても、個人によってこれだけ反応が違う。

 それから。やはり『嗅いだ事のあるニオイ』は、記憶していればかなり薄い濃度でも「あ、どこかでキンモクセイ香ってる。秋だね〜」となりますが。これがキンモクセイを知らないと、もう木の下で咽るほどの香りに包まれてようやく「何か消臭剤のニオイしてませんか?」とか風情もへったくれもないことを言うハメになります。(事実)

 さてそこで、「喉がピリピリと痛む化学的な異臭」ですが。何であるか、上のコメントだけでは分析できませんが、以下の2点であると申し上げる事はできます。

�@検知閾値以上認知閾値以下のかなり薄いニオイである。

�A認知閾値レベルではあるが、今まで嗅いだ事がないニオイなので海馬がデータ参照できない。

 「喉がピリピリ」って症状があるのがやや気がかりです。これは「何らかの化学物質である(ニオイは全て化学物質ではあるのですが、この場合は狭義で)」または「精神的な嫌悪感からアレルギー的な症状が出ている」このどちらかであることが考えられます。

 実際、自分の記憶にない「正体不明なニオイ」ってのは気持ちが悪く、不安になります。それは不明なニオイを脳のウィルスバスターが「危険あり」と検知したってことです。クリックしても無害な場合があります。

 なので、新築住宅のクレーム現場に私が行って「これ、壁の中に使われている木材のニオイです。別に何でもないですよ」と判定すると「あ、そうなんだ。だったら良いです」と言ってその後本当に気にならなくなってしまう極端な事例もありました。

 マコさんの事例ですと……。新築かどうか書いてありませんが、どちらにせよ管理会社や施工業者が来てもニオイを認識できないでしょう。建物に携わっている人たちですと、どうしても建材はニオイがあることが当然だと認識していますので、住んでいる人の嗅覚と感度が全然違ってきてしまいます。

 え〜。講義の練習も兼ねていたから前置きが長かったぞ。確認の方法です。

�@第3種24時間換気(浴室の換気扇がずっと回っている)なら各部屋の壁にある空気取り入れ口を全部閉める。第1種(マイコン制御)なら換気モードを「強」にする。

�A窓も、家の中の全てのドアも閉めて、キッチンやトイレなど家にある換気扇を全部回す。

�Bそのまま10分ほど待つ

�C換気扇などはそのままにして、そーっと廊下や洗面所などのニオイをチェックしてみましょう。『何であるかわかる』認知レベルにまでニオイが濃くなっているかも知れません。

 それでも不明なら、新築に近い場合は管理会社や不動産屋に「臭気判定士に来てもらって」と相談して見ましょう。中古で購入後時間が経っている場合は個人で依頼しなくてはならないかも知れません。お見積もりします。

依頼はこちら→swordbb@yahoo.co.jp

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コメント

詳しく解説していただき、ありがとうございます。

ここでは書けないことがあるので、
状況をよく整理して、
必要とあらばメールにてご相談いたします。

返信が遅くなり、申し訳ありませんでした。

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